しがい

エイリアンのしがいのレビュー・感想・評価

エイリアン(1979年製作の映画)
4.0
個人的に“エイリアン”はトップクラスの最恐モンスターで、昔はゾンビの次に嫌いでした…TV放映していたら即チャンネルを変えていた…。ステレオタイプ型宇宙人に憧れていた私は、知的生命体では無い宇宙人にもの凄い絶望を植え付けられたのでした。
そんなトラウマもあってまともに観たのは数年前でしたが、ほとんど記憶に無かったため再鑑賞。なぜ忘れていたのか!めちゃくちゃ面白いし、かっこいい…そして勿論、こわい!
言わずもがな、ギーガーの手腕によるエイリアンのいやらしさ全開の造型、そして他の生物を介して生殖するという設定のインパクト。
『バタリアン』のダン・オバノンはどうしてこんな世界観を思い描けたのだろう。エイリアンとの戦いだけでなく、完全男社会の宇宙船で逞しく生きるリプリーのキャラクターや暗躍するロボットの存在も印象的。
それらをシリアスかつ上品な映像美でもって纏め上げるリドリー・スコットのセンス。
この1作目がカリスマ的なのは、一人の功労者によるものでなく、相乗的にこのようなバケモノ映画が出来上がってしまったためであると強く思います。
チェストバスターの作り物感や、エイリアンのぎこちない動きなど、チープな面も勿論ありますが…今観ても全く見劣りしない重厚感が漂ってます。
エイリアン1体でこの緊張感てのも凄い。
ダン・オバノンが監督も兼ねていたら…と考えると全く違う代物になるに違いありませんが観てみたくもありますね。

(後に『パリ、テキサス』で名優となるハリー・ディーン・スタントンが即死要員であるのも衝撃でした!)
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