タキ

エイリアンのタキのレビュー・感想・評価

エイリアン(1979年製作の映画)
5.0
あまり映画を観る機会のない子どもの頃にみた数少ない宇宙モノの映画。当時スターウォーズも見たことないのになぜかエイリアンは観ていた。登場人物はたった7人、人間とエイリアンと猫のジョーンズのみ。こういう閉塞感に満ちた密室劇が当時から好きだったのかもしれない。あとシガニー・ウィーバーのルックスと女っぽくないのに強烈に女を感じさせる描写があってそれが今思えば気になる要因だった。ラストシーンのリプリーの下着姿はあまりに性的であんな股上の浅いパンツを当時はみたことないしあの無防備な姿でエイリアンに襲われることのさらなる恐怖、丸めて筒状にした本をアッシュに無理やり口に突っ込まれるシーンなどは子ども心にひっかかっていて大人になってエイリアンの形状も丸めた本も男性器の暗喩なのだとやっと気付くわけだけど、捕食しているわけでもなく本能とでもいうしかない征服欲を持つエイリアン(ロボット含む)への恐怖はぼんやりとしか違和感を感じていなかった子どもの頃より大人になってからはっきりとその意味を知り震えた。
知恵と勇気で新時代を切り開く女性の物語として見ることももちろん可能だけれど、それ以前に暗闇と閉塞感で恐怖を煽り、最後にまだ終わらない恐怖をすかさず放り込み震え上がらせる現代でも色褪せない素晴らしいSFホラーだと思う。
最近は映画のエンドクレジットはうっかり寝てしまうぐらい長いんだけどエイリアンは登場人物は少ないし技術もCGを使ってない人力がゆえにとてもシンプルで時代の流れをそんな所で感じたりもした。
嘘のなさと嘘臭さが同居した面白い時代だった。
タキ

タキ