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シンデレラのTABAのレビュー・感想・評価

シンデレラ(1950年製作の映画)
4.3
【虚構に閉ざされた夢】

考察
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”もし、この物語がシンデレラの妄想だったら…??”

フェアリー・ゴッドマザーの魔法の源が「夢」だったという点からこの考えが浮かびました。彼女の登場シーンより全てはシンデレラの妄想です。


シンデレラは継母達からの酷い仕打ちに耐えながら生活をしていました。夢は信じていれば必ず叶い、こんな生活から抜け出せると思ったからです。

”夢の中では悲しみは消える”

これは冒頭でシンデレラが歌っている「夢はひそかに」という歌の一節。
彼女にとって夢とは、醜い現実を忘れられる逃避の場所だったのです。

ある日、王国のお城で舞踏会が開かれる事になりました。亡き母のドレスを着て出席を望んだシンデレラは、継母達によってそのドレスをボロボロに。
こんな格好では舞踏会に行けない、私の人生は一生闇に閉ざされたまま。夢を信じていたのに何も変わらない。彼女はとうとう壊れてしまいました。

ここで、彼女の頭の中にある映像が映し出されます。水色の布を纏った妖精の姿です。
彼女はシンデレラをたちまち美しい姿へと変え、舞踏会へ行く為の手助けをしてあげました。
シンデレラは言います。
「まるで夢みたい」
妖精は言います。
「そうよ、夢なのよ_ 」
と。そう、これはシンデレラの夢、全ては彼女の頭の中で起きている出来事。美しいドレス、ガラスの靴、カボチャの馬車だって偽物。彼女は現実逃避を始めました。

逃避の世界では無事舞踏会へと行く事ができ、王子様と出会う場面が映し出されます。互いに恋に落ちた2人は紆余曲折を経て結婚し、いつまでも幸せに暮らしました__。

…鳥のさえずりが聞こえ、シンデレラは目を覚まします。そこは王室ではなく、見慣れたいつもの部屋。醜い現実。
それでも逃避の世界での出来事を活力に、継母達のお世話をする為支度を始めましたとさ。

”夢の中では悲しみは消える”

おしまい。



2022's 104th

〜スコアの目安〜
★ - :鑑賞途中
★3.0:面白くない
★3.7:まあまあ面白い
★4.0:面白い
★4.3:めちゃ面白い
★5.0:好き
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