邦題が気に入らない(いつもの如く)
エロくもないし背徳的でもない明るい映画です。
その昔ベニスでも女性には自由がなく、男性の所有物だった。好きな人と結婚できないと知ったベロニカは日本でいう花魁的な高級娼婦(Courtesan)となる。
美貌だけではなく知識や性技を磨き、権力のある男たちを楽しませるのがお仕事。それをただ「娼婦」と呼んでは、なんかこううらぶれた感じがしてしまう。
ベロニカは自立の道を進んだのだ。詩人としても活躍する。当時の普通の女性では得られなかった自由を生きる。
それでも時代はうつり、宗教裁判にかけられてしまう。ちょこっとヒストリック。そこでもはっきり自分の意見を述べる姿が現代のヒロイン風。
全体的にコメディタッチで軽やかに進むし、ラストも暗くないため見やすい。
好きな人とは両思いなのに一緒になれない、その苦しさはもうちょっと深く描いて欲しかったけど。
美しくて聡明でめげないベロニカがかっこいい。