なんだコレ。これめっちゃ楽しいわ。
敵役がちゃんとシリアスに怖いのに、ラストのミュージカル(?)格闘シーンからあいつが復活する流れのバカさ加減でピースフルにオチるアンビバレントな空気感、他の作品では難しいバランスじゃなかろうか。勝敗の着き方に中盤の流れを汲んだロジックがあったり、ギャグとアクションの密度が結構高いのにその中できっちりキャラクターの成長を描き切ってたり、シンプルに作りの水準が高いと感じる。
演出もめちゃめちゃ良くて、特に健康ランドのシーケンスが好きで、「世界の国からこんにちは」に合わせて踊ってるときのなんとも言えん不気味さとか、「名刺交換→カラオケボックス越しに見える銃撃」のシーンの笑えるのにクールな雰囲気とかマジで最高。ここぞって時にちゃんと綺麗な風景のカットとカッコいい音楽で映画的ルックをキメてくるのもズルい。グッとくる。作画と言えば、序盤のカーチェイスシーンでアップになる信号とか、車同士がぶつかるシーンとか、そのあたりもハッとするディテールだった。「えっ、クレヨンしんちゃんってこんな感じなんだ」っていう。
あと個人的に今まで見てきたクレしん映画の中で1番ギャグが楽しかったのもハマった要因かも知らん。
相変わらずキャラクターはみんな良いんだけど、ポンコツ刑事に限ってはストーリー的に美味しいキャラだったはずなのにあんまり活きてない感じがしてちょっと残念だったなぁ。