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アドルフの画集の4423のレビュー・感想・評価

アドルフの画集(2002年製作の映画)
4.0
画家志望の孤独な青年アドルフ・ヒトラー。もしもヒトラーが画家になっていたら?歴史の中の『もしも…』に切り込んだ傑作。

政治的なこと、芸術的なこと、小難しいことは何も分からない。けれど、異色作でありながらも単純に面白いと思える作品である。アートは人間を変えうるのか?というテーマを掲げながらもフィクションとノンフィクションの狭間に我々は揺れ動くのだ。

しかし、ユダヤ人画商マックスを演じたジョン・キューザックが本当にかっこいい!佇まいや言動は掴み所がなく、そうこれはまるで風ような人、ふとそんなことを思った。長身ですらっとしているから黒が異様なまでに似合うんだよね。黒のロングコートを靡かせ、正しい表現ではないかもしれないが右手が欠損していても完璧なボディフォルム、彼の髪の毛の一本一本が美しかった。いつもぽわんぽわんとした情けない役が多いから、こういう役だと余計にドキッとしてしまう。ジョンキューファンにとってはぜひとも押さえておきたい作品と言えるだろう。

それとリーリー・ソビエスキーがかわいかったのだが、彼女の趣味が共演した俳優たちの髪の毛を集めることだと知り呆然。ドキュメンタリー映画が作れそうなくらい強烈。
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