ガンダムF91は、シーブック・アノーで行きます!
一応、宇宙世紀ものなんだけど「逆襲のシャア」から30年後の話だからか、いまいち人気がない。
個人的には今作とこの後に続く「機動戦士Vガンダム」は結構好きだったりする。
今作は「逆襲のシャア」で一区切りついたガンダムを仕切り直した作品で、小説やゲーム、プラモデルなどメディアミックス展開もされていて、映画の後にはTVシリーズが作られる予定だったとか。
その為、新しいガンダムを作ろうという気概は感じられるのだが、その後TV企画は立ち消えとなり、中途半端なまま終わってしまったなんとも残念な作品。
今作はあくまでプロローグ的な物語となっていて、コスモバビロニア戦争の始まりしか描かれず、その全容は今作を見ただけではよくわからない。
しかし、序盤に描かれる民間人の目線から見たリアルな戦争描写は数あるガンダム作品の中でも屈指の出来だし、"富野節"と言われる富野監督による独特の台詞回しも秀逸だ。ニュータイプ論ではなく、富野版スターウォーズとも言える家族をテーマにしたストーリーも面白い。
後半はかなり駆け足で展開していくので、話の流れが掴みにくいのは残念ではあるが、新しいものに挑戦していく姿勢は後のVガンダムやアナザーガンダム作品に受け継がれていると思う。
もしかしたら、当初の企画通りテレビシリーズでじっくりと描いてくれたら、なかなかの名作になったのではないか。
新作「ガンダムNT」が発表されるなど、サンライズやバンダイは「逆襲のシャア」「ガンダムUC」以降の作品に力を入れていくようなので、いつか今作の時代がスタンダードになる時がくるのを密かに期待している。