わかめ昆布

馬鹿が戦車(タンク)でやって来るのわかめ昆布のレビュー・感想・評価

3.6
「耳は少々聞こえん方が、静かで良うあります」

美しい田舎の自然と、小物感が憎めない噂好きの住人たち。
船の上での東野英治郎が語り手、という演出で生まれるコントラスト。

安定の岩下志麻姫が良心なストーリー。
染まらない流されないお嬢さま。

戦車が出てきてからが面白い。
田舎に戦車、っていうとんでもない光景が良い感じにカオスで楽しい。
戦車で暴れまくるシーンは爆笑。
行け行けやれやれ!と応援してしまう。

ところで昔の映画は、白痴の子が当たり前の風景として登場するのが良いな…と改めて思った。
今はコンプラなど色々あるみたいだが、逆に生活に出てこないというのが不自然で「慣れ」や「馴染み」からどんどん隔離されてしまっているような。

白痴の子が登場することによって、程よい緊張感が出たり、それに鑑賞者も慣れていき色眼鏡なく見れたりと教育上も良かったのではないだろうか。
鈍くなりたくないな…

何か考えさせられてしまった。

ラストは安定の山田洋次調の切なさで◎
キャストに戦車87号と書いてあるのも可愛い。
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