広島カップ

ヒッチャーの広島カップのレビュー・感想・評価

ヒッチャー(1986年製作の映画)
3.5
古い洋館、夜の廃校、夜霧たなびく森や墓場などと並んでサスペンスの定番舞台の感がある、アメリカの荒野を走るハイウェイ。
これまでも『激突』(1971)『ブレーキ・ダウン』(1997)等の面白いサスペンスがすぐに思い浮かびます。
それらに伍して本作もなかなかのものです。

ハイウェイを走行していた兄ちゃんが親切心でヒッチハイカーを拾ったのが物語の始まり。
そいつは荒野の砂漠に生息するラトルスネークのような殺人鬼(ルトガー・ハウワー)だった。

怖ろしの対象を、なかなか出さなかったり少しずつ明らかにしたり等の作戦をとらずに端から見せ放題のパターン。
それでも怖いのですから、いかにルトガー・ハウワーの存在感が怖いかです。
特に拾われて車に乗り込んだ直後の彼。
助手席に座り上目遣いで運転席の兄ちゃんを見つめる彼はチビりそうな迫力です。

前後左右に広大なスペースが広がるハイウェイは暗い洋館や廃校などの閉鎖空間と違って明るく開放的な屋外でありながら、叫び声をあげても誰の耳にも届かない、逃げても逃げ切れない状況というのが共通していて雰囲気を上げるのに適しているんですね。
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