タラコフスキー

セレブレーションのタラコフスキーのレビュー・感想・評価

セレブレーション(1998年製作の映画)
1.5
世紀末にヌーヴェルヴァーグを更に極端にしたリアリティを追求したドグマ95、真に迫ったような人間の様子を見たいのなら見応えは得られそうなこの運動だけど、美しい映像を見たいのならこれほど唾棄すべき撮り方もそう無いだろう。

その運動の代表的な例であるこの作品も、やはり美しい映像を見たい欲求の強い自分には全く以って見るに堪えない代物で、ビデオカメラで撮ったようなあまりに安っぽくあまりに煩い映像には同じデンマークの巨匠であるドライヤーの作品の1ミリも感動的なものは無かった。

確かにパーティーにおける家族の秘密の暴露って題材にはそこそこ面白味があったし、演出力も役者の演技力も垣間見えたけど、それらも全て撮影スタイルのせいで台無しになっていたし、基本喧しいシーンが多かった点も煩わしくて辟易した。(これもハネケのように端整でスマートな手法で撮っていたら見入っていたであろうが)

最近似たような撮影スタイルや演出の作品でジョナス・カルピニャーノという監督の映画を見たが、どちらも映像が全く好みに合わなく苦痛極まりない時間を味わったのだけど、逆にスコセッシはどちらも評価しているからまさに捉え方は感性の問題なのだろう。

とはいえ見る度にイライラが募るこのスタイルは誰が何と言おうと好きになれないもので、酷いものを見たという気持ちは一生拭えないことだろう。