マイノリティ

ゴーストワールドのマイノリティのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
3.6
何か変な余韻を残す作品でした。

高校を卒業したばかりのイーニドとレベッカ。

進路も、やりたい事も特に無く、常に刺激を求める2人は悪態を吐きながら退屈しのぎに街をぶらぶら歩きます。

見た目だけで「あの2人は差別主義者(レイシスト)と決めつけ、後をつけようとしたり。

そんな事ばかりして日々を過ごしていた2人はある日、雑誌の広告にデートの誘いを載せた記事を見つけます。

"6月にバスの中で一緒にコンタクトを探した者です。これは運命的な出会いではないでしょうか?"

「キモくてダサいマニアック男!」

レベッカが言います。
「ねぇ電話してみない?」

男の留守電にコンタクトを落とした女性のフリをしてイーニドは店の名前と待ち合わせの時間、する筈もない女性の格好を言い残し、電話を切ります。

嫌がる知り合いのジョシュを、いつもの様に足代わりにする為に、半ば強引に誘い、彼の運転する車で先回りしてキモ男を待つ3人。

数分後、地味で大人しそうな男が入店します。

イーニドとレベッカは確信します。

「この男だ!」

カウンター席の椅子に座り、辺りを見回しながら、来るはずも無い"緑色のカーディガンを着た金髪の女性"を待つ男。

しばらく待ち続け、肩を落とし、店を出る男の後をつけ、自宅を突き止めます。

数日後、"キモ男"に興味深々なイーニドとレベッカは男の家に向かいます。

男は庭で自分の大好きなレコードを売っていました。

近づくイーニド。

男の名前はシーモア。

そこから2人の奇妙な友情?
が始まります!


高校卒業したてで進学はイヤ。
かと言って特にしたい事も無いイーニドとレベッカ。

「2人でどっかに住もう」
そんな漠然とした"この先"があるだけです。


とは言え普通にバイトをしているレベッカの方がマトモでした。

一方のイーニドは本当にダラダラしてて、ちょっとイラッとしました。

友達関係ではあるのですが、やりたい放題で、歳上のシーモアの優しさに付け込んでいる節もあったり、後半は「何でそうなるかな!」とシーモアに対してもイライラしました。

世間や他人のせいにしたくなる気持ち。
皆んなどんどん先に行ってしまって不安になり、その寂しさや苛立ちから悪態をついたり人を傷つけてしまったりするのは理解出来ます。

しかしイーニドの態度は度が過ぎている。と思いました。

とは言え、イーニドを演じたソーラ・バーチの飾らない自然な演技が良かったです!

あと、彼女の中々奇抜なファッション、特に色の組み合わせが彼女にしか着こなせないなぁ。
と思いました!

レベッカを演じたスカーレット・ヨハンソンも可愛いかったです!

最初は絶対、彼女が主演の作品だと思いました!

静かで大人しく、しかし好きなモノに関しては独自のこだわりを持ち、熱く語る男、シーモアはスティーブン・ブシェーミが演じていました!

物静かな彼の演技も良くて僕には新鮮でした!

他には、かつて「イケメン!」「可愛い!」と世の、女の子や女性達を虜にした名子役、ブラッド・レンフロが出演しています!

最初は彼が誰だか分からず、しばらくして「あ!」ってなりました。

あと多分ですけど、店でヌンチャク振り回して大暴れする短パンにタンクトップでマッチョの変な人って、ロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「BY THE WAY」のPVとかに出てる人ですよね!

違ってたらスミマセン。

あと大好きなバンド"バズコックス"の曲がかかったりして嬉しかったです!

個人的に好きなのは、来るはずも無い廃線になったバスをずっとベンチで待つ男のシーンです!

ラストは、まぁ悪くは無いのですが、もう少し物語が進んでから、あのラストにして欲しかったです。

しかし退屈はしなかったです!

タイトルは今作にピッタリだと思いました!