ゆりな

ゴーストワールドのゆりなのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.4
あはは、可愛い!
やっぱりさぁ、世間の評判なんて気にせずビビって来た映画は早めに観とくべきなんだよ。(n回目)

高嶋ちさ子が「高価な買い物は早めにしろ、死ぬまでの日割りが増える」と言っていたけど、気になる映画作品も同じなんだよ。
死ぬまでに噛み締めることのできる回数が増えるんだからさ。

こうやって悪友として、青春時代を一緒にいつも過ごしてくれた友達と、今も仲良い人ってどのくらいいる?
例えその子がもう側にいなかったとしても、一緒に過ごした時間は色濃く残っていて、自分の個性にも明らかに影響している。
今はもうなくなってしまった、毎週通っていたビレヴァンを思い出した。こんな最高の映画はさ、美容室とかちょっとサブカルなバーで一生かかっていておくれよ。

昔、漫画を立ち読みしてラストが悲しかった記憶から遠ざけていたけど、いつ観たってきっと刺さるんだろうなと思ってた本作。想像以上に最高でした。
……で、私が読んだと思っていた漫画、原作含め全然違うみたいなんだけど、むしろあれは何だったんだろう。(笑)

あと、私の誕生日に昔毎年、映画に準えたイラストを描いてプレゼントしてくれてたバイト先のお姉さんがいて、ある年は「ゴースト・ワールド」だったんだよね〜。そんな思い出の一本。

「ブックス・マート」は確実に本作の影響を受けたと思ったし、いろんな作品に絶対影響与えたでしょ。「リコリス・ピザ」も思い出した。
「痛い青春」と評されているけど、私は終始「あはは、可愛いな〜」と微笑ましくなりながら見たよ。
イニードのファッションもお部屋も、ずっと見つめていたい愛おしさだった。

「2001年、当時は新しい“低体温系”⻘春映画としてヒットを記録した本作」本当に言葉通りだよね。2000年代の映画って華々しくて独特の「主人公」感が多くて、私は時折苦手。そんななかに、こんなの出てきたら問題でしょ。
永遠に見ていられるや、と思った。なんならドラマ版でリメイクしてくれたっていいけど、オリジナル版の輝きは永遠に色褪せないだろう。

こんなにスケッチブックが愛おしくて、ダサいだの痛いだの言われていたイニードの文化的なセンスと「これ見なさいよ」と言葉を選んだセンス。
それらが愛おしくって、それだけで最高にクールだよ。
ゆりな

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