せびたん

ゴーストワールドのせびたんのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
3.8
おもしろかったです。10代の時に観たかった。もっと共感できただろうな。けど私が10代の頃この映画はまだなかったんで無理な話。

こういうタイプの女のコって溺愛しすぎて男をダメにする印象があるのですが、この主人公はクールでしたね。アメリカと日本の違いなんでしょうか。女のヤり逃げを映画で見たのはこれが初めてのような気がしました。ヤり逃げって男だけがやるわけじゃなかったんだ…。

ラストシーンでバスに乗るところの着衣の色は卒業式の衣装と同じ赤でした。あのゴーストワールドを卒業する、という意味でしょうか。イーニドを乗せたバスは大きくて頑丈そうな橋を渡っていきます。私は彼女なりの明るい世界が待っていることを予感しました。橋というのは虹を連想させますしね。ボロい橋ですといろいろ不安になりますが。悪い結末ではないでしょう。クソみたいな状況から脱出するためには、まずは諦めずに脱出しようと思うことが大事ってことかなって思いました。

以下はネタバレというか、私なりのラストシーンの解釈です。



この作品世界そのものが現実の世界ではないんじゃないかと思いました。
バスを待っていたおじいさんは、イーニドを現実世界に連れ戻す役割・そういう方法もあることを示す役割だったのではないかと。
心を病んだのか、事故とか故意とかで身体的なダメージを受けて瀕死の状態なのか分かりませんが、イーニドは自分の心の中の世界(あるいは三途の川的な臨死状態で行く世界)にいて、生死は彼女自身の選択にかかっていたのかと。
ラストシーンは彼女がリアルに戻ってくるということなんじゃないかと思いました。
せびたん

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