ずいぶん昔に観たのだが、何故かとても印象深くて内容を鮮やかに覚えている作品。
ダニエル・クロウズのコミックが原作で、監督はジョン・マルコヴィッチ。
「アメリカン・ビューティー」のソーラ・バーチとまだもさい感じのスカーレット・ヨハンソンのキッチュだけどそれほどお洒落じゃない雰囲気がいい。
あまりに生きづらい世界でわかり会えるのは私たちだけ的な、いわゆる女の子二人映画なのかなと思っているうちに中盤から事態はおもわぬ方向にスライドしてく。二人の仲におたく中年シーモアが介入して、じゃなくて、シーモアはとことんまで受け身なのに勝手に二人が別の道を歩いてくっていう、冷めた展開もすごく気に入った。
何よりも、途中何度も挿入される、伏線ともつかないバス停のシーンが大好きだ。廃止されたバス停に一日中座って来ないバスを待ってるご老人を見つめるイーニド。
悲しいのとも、寂しいのとも違うラスト、色んな気分や希望やその先にあるもの、あったものを思い出して、何だかじんわりして泣けた。