えいむ

人間失格のえいむのレビュー・感想・評価

人間失格(2009年製作の映画)
2.6
バーの女主人役の大楠道代さんが素敵でした。ロマンチックな佇まいながらも存在感がリアルで、キリッと美しかったです。

それと中原中也役の森田剛さんがキラリと光ってました。特に古本屋のシーンが好き。
詩人に見えるかはさて置き、森田剛さんから放たれる何か底知れぬ役者としての可能性が、瞬間瞬間でしっかり映っていました。
これがあの『ヒメアノ〜ル』の怪演に繋がったのか、と。原作にはない中原中也役に選ばれるキャスティングの妙をチャンスに変えてました。

が、映画全体は勿体ない。
小説の魅力も、豪華キャスト達も生かされてない。

生田斗真さん本人は頑張ってるのに作品が空回り。
生田斗真さんの主演映画は『彼らが本気で編むときは、』から観始めてよかったです。
長い間なんとなく生田斗真さんの映画を観るのを避けてきたのは、まさにこの『人間失格』のような残念な仕上がりの作品に出てる予感がしたからでした。うーん。

あと、この映画、葉蔵がかなりの美形ということにして生田斗真さんのビジュアル押しでやるつもりなら、堀木役は伊勢谷友介さんじゃない方が良かったのでは。
伊勢谷友介さんがスラッと長身でスタイル良く顔面も美形で華があるため、堀木のカッコ良さが邪魔して葉蔵の容姿が際立たなくなり、物語がわかりにくくなってました。
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