ナチス占領下にパリで起きた一家の悲劇を軸に、戦争の悲劇がその後の人生にどういった影を落としていくのかを問いかけた作品。
題名通り「サラの鍵」にまつわる物語に終始する作品かと思っていたが、次世代へ、その先にメッセージを与えようとする現代の映画だった。
なんといってもまず、少女サラに起きてしまった悲劇、想像することが恐ろし過ぎる。このサスペンスが作品の緊張感を持続させ、凄かった。サラ役の少女の大きな美しい瞳が印象的で、とても良かった。
反面、現代パートはやや散漫な印象も。訴えたい事が多岐に渡るので致し方ないとも思うが、もう少し事情とテーマを絞っても良いかな、と思った。
決して忘れることのできない戦争という名の悲劇。悲劇を伝えること、現実を忘れない事によって未来は開かれる。ラストシーン大好き。
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