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ハイヒールのakrutmのレビュー・感想・評価

ハイヒール(1991年製作の映画)
4.0
いつものペドロ・アルモドバル作品のような過激で倒錯した性描写は出てきませんが、母と娘の愛と憎悪が入り混じった関係を見事に表現しています。でも、娘とゲイのダンサーとのセックスシーンは、いつものアルモドバルの雰囲気が出ています。なので、ペドロ・アルモドバル監督のファンはもちろんのこと、そうでない人にもオススメできる映画です。

少女の頃に自分に無関心だった母の愛人と結婚することで、母へ復讐するとともに、母の関心を自分に向けさせたいという複雑で非理性的な感情を持つ女性が濃密に描かれていて、映画の世界に没入してしまいました。アルモドバル作品の常連である母親役のマリサ・パレデスも相変わらずいい味を出しています。ハビエル・バルデムがちょこっと出てきたので、これから絡んでくるだろうなあと思っていたら、本当のちょい役でした。よく考えると、この頃はまだ映画デビューしたての頃(彼の出世作の『ハモンハモン』の一年前)なので、当たり前ですね。
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