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ハイヒールのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

ハイヒール(1991年製作の映画)
3.5
ペドロ・アルモドバル監督1991年スペイン作品。昔から坂本龍一の手掛けたテーマ曲が凄く好きで、いつか観てみたいと思っていた作品。

少し前からレンタルショップの新作コーナーに現れたので気になっていた。思い描いていたイメージとは随分違っていたけど、かなりの観応えがあって良かった。15年ぶりに再会した母娘の愛と憎しみが激しく行き交う物語。

オープニングがメッチャスタイリッシュでマイルス・デイビスのジャズTPをバックにカラフルな色使いの文字組が美しい事。空港で再会する二人。母親役の真っ赤なアルマーニ姿で登場する元スター歌手のマリサ・パレデスの圧倒的な存在感。母に立ち向かうように娘役の真っ白なシャネルを着こなすビクトリア・アブリルも凛々しく美しい。全編赤を基調としたビビットな色彩と華やかな衣装やインテリアが際立っている。

1人の男を巡って激しく対立する2人。復讐の意味なのかとにかく興味を惹きたいのか良く分からない。この物語は多分女性にしか深い理解は出来ないだろうと思う。おそらく感情的な部分と本能的な部分が交互に色濃く描かれているのだろうなと・・・・。それにしてもスペイン映画やドラマに観るスペイン女性は、男性をモノかのように軽く見過ぎている描写が多い気がする。

ペドロ・アルモドバル監督は昔「オール・アバウト・マイ・マザー」をミニシアターで観て、何だか複雑で女性向けだなぁ・・・詰まらん!と思って以来で、おそらくこちらの方が削ぎ落とされたようにストレートな印象だ。古過ぎて記憶が薄いから違ってるかも(笑)

坂本龍一の曲は最初の空港のシーンで少し枯れたギターで弾かれたフレーズが抜群に良かった。他の曲も含めいい仕事をしてるなと思う。

映像と音楽だけならまた観たいのだけど・・・。
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