ひろくん

寒椿のひろくんのレビュー・感想・評価

寒椿(1992年製作の映画)
4.7
生き様。これに尽きる。
各キャラクターに壮絶な個性があって、中には破綻した人格の持ち主もいるが一筋縄ではいかないのが人の世の常というか、俺には最後に岩伍が生きていたこともご都合主義には見えなくてあの修羅場で生き残るだけの人間だと西田敏行の好演が思わせるだけの説得力があった。
ハチャメチャな役として描かれる仁王山も、悪質なストーカーで力自慢の一番関わりたくないタイプのチンピラなことには変わりはないが、その実、実直で純粋な気持ちが強く、牡丹の誘拐もかなりヤバい若気の至りって話(レイプに及び刃傷沙汰にも発展するが…)だから岩伍に諫められたり色々と経験を積んだあとの田村の子分がカチコミにくる場面で仁王山の目を見た岩伍が牡丹を託そうと思えたのも納得がいく。
仁王山、牡丹、健太郎、この三人の若者たちがそれぞれに出会いや別れ、つらいことや楽しい思い出を経験して岩伍という男の生き様を中心に理解、成長を遂げる素晴らしい映画でもあった。
愛が一方通行だったり、親との決別だったり、本当に愛する人とは一緒にいられないというような決して幸せな物語とは言えないけど、それが人生なのかなって、十二分に伝わってきました。
南野洋子の体もきれいです。欲を言えば下も見たかったものだが、それが通らんのも人生。
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