みゅーらー

キング・コングのみゅーらーのレビュー・感想・評価

キング・コング(1933年製作の映画)
4.1
世界初のトーキー・モンスター映画、アドルフ・ヒトラーもこの映画が大好き!
公開当初製作会社に「あの怪物は本当にいるのか!?」という問い合わせも殺到したという…映画カルチャーの始祖ともいうべき古典名作「コング」!
多くのハリウッド映画監督がこの作品を見て衝撃を受けその道を歩むこととなり、
のちにストップモーションアニメの伝説となるレイ・ハリーハウゼンはこの映画で特殊撮影を担当したウィリス・オブライエンに弟子入りしたのだ。

つまりこの映画が無かったらロードオブザリングもゴジラもウルトラマンもスターウォーズもタイタニックもバックトゥザフューチャーもピクサー映画もディズニー映画もなんもないのだ!!!映画の危機なのだー!!!

ストーリーはまさに冒険活劇の教科書であり、見るものを飽きさせない!
叫ぶヒロイン!謎の原住民!巨大なモンスター!普通に食われる原住民!叫ぶヒロイン!暴れるコング!逃げ惑う群衆!普通に食われる群衆!叫ぶヒロイン!できたてホヤホヤのエンパイアステートビル!暴れるコング!叫ぶヒロイン!暴れるコング!火を噴く複葉機のマシンガン!ダメージを受けるコング!叫ぶヒロイン!落ちていくコング!美女が野獣を殺したのだ…The End!!!

コングは意図的にかなり怖い造形になっており、これが映画の大画面に出てきた日にゃそりゃ叫びたくもなる!

一方で非常に示唆に富んだ社会系の側面もあり、世界大恐慌の時代なのでヒロインは失業して職探し中の女優の端くれだし、監督は少額の投資で最大限儲けようというのを隠そうともしない(映画を撮るのは別格のようだが)。未開の黒人を恐れる白人というのも世相を表している。(当時は差別もバリバリ。)
この辺の社会的にリアルな部分に、強烈な特撮が合わさった雰囲気は、「1933年のシン・ゴジラ」といった趣である。

単に見て割と面白いのでぜひご覧ください。コングまじで怖い。