トランスマスター

キング・コングのトランスマスターのレビュー・感想・評価

キング・コング(1933年製作の映画)
3.0
ほとんど『進撃の巨人』

モノクロのキングコング予想以上に良かった!

映画監督が、秘境の島で独自に進化した巨大生物をテーマに映画を撮影しようと女優と上陸。そのままキングコングを弱らせた勢いで生け捕りにしてNYで見世物にしようとする商魂たくましいアメリカのショービジネスのお話です。

◆良い点/注目ポイント
・まず1933年(昭和8年!)の映画に既にエンパイア・ステートビルのような超高層ビルが存在している事が凄いです。
・白亜紀の恐竜がオリジナルサイズに対して哺乳類のゴリラのみ巨大化している設定が笑えるところ。また現地の部族もコングを神と崇めて生贄を捧げているにもかかわらず、なんのためらいもなく槍を投げつけるところも笑いのツボです。
・黒澤映画のように効果音が、とにかくド派手。ジャーンジャジャジャーンみたいな音楽がほとんど悲鳴と火薬くらいしか音がないサイレント映画に近い作品なのにもかかわらずコングの気持ちや動作がこの音で見事に表現できています。
・着ぐるみではなく、人形を一コマ一コマぎこちなく動かす感じが作り手の手間とありがたさを感じます。オリジナル版の『タイタンの闘い』(傑作)を思い出しました。

◆改善点
・女優(コングの花嫁)を執拗にナンパする船乗りが、ロマンス要素だと思うのですが、怪獣に集中したいので少し邪魔です。

◆総括
・最新のCGを使用したキングコングも楽しいですが、クラシックな特撮も侮れません。

-2019年94本目-