さすらい農場

ノー・マンズ・ランドのさすらい農場のレビュー・感想・評価

ノー・マンズ・ランド(2001年製作の映画)
3.7
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1992-1995)
泥沼の民族対立で憎み合うボスニア軍とセルビア軍の中間地点(ノー・マンズ・ランド)で立ち往生する三人の男。
一人はセルビア兵、二人はボスニア兵その内一人は気を失っている間に地雷を仕掛けられ、生きたままブービートラップにされてしまう。

身動きの取れない一人と、いがみ合う二人の一触即発状態。
お互いを罵り合い、憎み合いながらも、疲れ、腹も減り、タバコも吸いたくなればトイレにだって行きたくなる。生きてる限り、24時間憎みっぱなしという訳にはいかないのだ。
[敵だから憎む]だけの二人にとって、争う[理由]は限りなく希薄。

イタズラに集まり騒ぎ立てる国連軍や国際リポーターも何の役に立っているのやら空回り😐
争う人間の愚かさと滑稽さが物悲しい、笑うに笑えないブラックジョークなのです😖
勘違いしてはいけないのは、これは[外国の昔話]ではないという事。いつだって人は、大なり小なり憎み対立しがち。
憎しみから状況は好転しない。