Melko

月世界旅行のMelkoのレビュー・感想・評価

月世界旅行(1902年製作の映画)
3.6
名作を初見。わたしは15分バージョンを鑑賞。
今からおよそ120年前の映画。
そりゃあ今見たら、セリフなし白黒、コントみたいな動きと、無理やりつけた音楽がチグハグな感は否めないけど、この時代にできたこと、舞台芸術を映像に昇華させたと考えれば、そのクオリティの凄さが納得できる。
舞台とはいえセリフがない。全て「動き」で伝えなければいけない中での身振り手振り全力でのリアクションは、一般的な映画の3倍、一般的な舞台の2倍のリアクション(個人の体感)で、リアクション芸人顔負けのオーバーさ。
そして圧巻の舞台美術。遠近感ある凄まじい書き込みの書き割り背景はもちろん、
探査する教授?たちが乗り込むロケット(ホントに扉が開く)、
人が座る三日月、
最後ロケットが月から落ちる時の仕掛け(人がしがみついたまま下に落ちる)

エキストラの数もすごい。
おかげで、誰が誰だかわからない笑
主人公達の顔すらちゃんと見えないし、見分けがつかない笑

あの有名な、月の瞳にロケットがぶっ刺さる場面はインパクト大。これこそイマジネーションの力。考えついたとしても、映像で表現したことは評価高いと思う。

120年前からのメッセージ。「動く芸術」を人に見せるとは、どういうことなのか、今に続く数多の映画たちに脈々と受け継がれるDNAを感じて、ちょっと胸が熱くなった。
Melko

Melko