CHEBUNBUN

透明人間のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

透明人間(1992年製作の映画)
3.7
【特撮に惚れろ!透明人間は辛いよ!】
「アベンジャーズ」、「ジャスティス・リーグ」「スプリット」と近年、様々な映画のヒーローが一つの映画に合流するフランチャイズ戦略が流行っている。従来映画は「1本完結」だと思われてきたのだが、大衆はこのフランチャイズスタイルの興業に慣れてきたのか、興業収入面で大きな成功を収めている。

さて、ユニバーサルも「ダークユニバース」というシリーズを始動した。「ミイラ再生」のリブートである「ザ・マミー」を筆頭に、これからドラキュラ、フランケンシュタイン、半魚人の映画が撮られ、様々な怪人が合流していくのだそうだ。20世紀フォックスが既に「リーグ・オブ・レジェンド」で似たようなことをやっているのだが、今回ユニバーサルがガチなクロスマッチを実現させる。

さて、前置きがながくなったが、Netflixにジョン・カーペンター版「透明人間」がアップされていた。ブンブン、小学校5年生ぐらいの時にTSUTAYAでコーマン映画「キルボット」か「透明人間」かと悩んだ挙げ句、「グーニーズ」を借りた記憶があります。

あれから10数年にして初めて目にする「透明人間」果たして...

☆「透明人間」あらすじ
ビジネスマンのニックは商談で研究所に行った。しかし、研究所の自己で、透明人間になってしまった。人間兵器として使いたい政府に執拗に追い回されるニックは、透明人間の辛さを知っていく...

☆技術と演技の結晶!大傑作だ!
あなたは透明人間になったら何がしたいですか?

あんなことイイナ☆できたらイイナ☆とヤラシイことを考えたのではないでしょうか?ドラえもんで育っているブンブンは、女湯を覗いたりとか考えてしまう訳ですよ。おっとセクハラ発言すみません。でも、こんな野郎の妄想は既にポール・バーホーベン監督が「インビジブル」で見事にかなえてくれています。

今回観た「透明人間」は、鬼才ジョン・カーペンターが撮ったと聞いて、妄想してしまいました。しかし、実際蓋を開けてみると、非常に技術力の高い、今観ても興奮する傑作だった。

☆ポイント1:透明描写の手数が多い
透明人間の最大の魅力は、いかに「見えない」を魅せていくのか?包帯を巻く、食べ物を食べるといった表現は簡単に思いつくだろう。しかしながら、本作は冒頭から凄いことになっている。

研究所の事故で建物が透明になるシーンから始まる。逃げ遅れた主人公は建物ごと透明にされてしまう。だが、ジョン・カーペンター監督は、建物全体を一気に透明にすることはしない。建物がまるでチーズのように所々透明になっているのだ。建物の一部をガラス張りにすることで演出しているのだが、この造型が惚れ惚れとするほどカッコイイのだ。

一部が透明になってしまった研究所のジオラマがあったら欲しいほど、素晴らしい。

☆ポイント2:チェビー・チェイスの演技が上手い
またこの作品を盛り上げているのはチェビー・チェイスの演技だ。この「透明人間」はひたすらに、透明人間の生き辛さを描いている。食べ物を食べようにも、自分の手が見えないので十分に食事ができなかったり、生活必需品も買えない、他人に認知されないので怪我するといった様々な困難が主人公に押し寄せる。本作は観客の為に、時折透明人間の全貌を魅せた状態で映画が進行する。映画の人物は全員、透明人間のことは見えないのだが、観客だけが総て見えるという仕組みだ。

観客から観た透明人間は、「サボテン・ブラザーズ」のチェビー・チェイスが必至にパントマイムをしている。酔っ払った人を引きずって、タクシーに乗ったり、敵の事務所に忍び込んで息を潜めたりととにかく奮闘している。この様子が非常にコミカルで面白かった。

☆最後に...
正直、「ダークユニバース」はあまり興味なかったのだが、このジョン・カーペンター版「透明人間」は大傑作であった。一見の価値あるぞ。
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