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トリコロール/白の愛の海のレビュー・感想・評価

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)
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手に入らないと思うほど欲しくて愛しい。すれ違いさえ上手くできず、衝突するか絡まるかしかできないふたり、完璧な形をした人間なんかこの世に自分だけ居ればいいのになぜ他人と眠る時それを求めてしまう。自分が可愛い気持ちとあなたを愛してる気持ちにいつも押し潰されてどこにも行けないわたしの心、なんて可哀想なんだろう、どうか一緒に泣かせてほしい。ずっと見ていたいと思う気持ちに最初に恋って名付けた人を、許したくない夜だってある、おのれのずるさに苦しむひとにやさしくキスをしてくれるような、ああそうだ、天使だ。光と闇の織り成す美しい映像、砂漠の砂のように指の間からこぼれ落ちる繊細な感情、どうしようもないことは、どうしようもないままで。
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