"始めに混沌があった"
"それから光が来た"
まだ顔を見たことのない父親を探すべく、寒い冬に旅に出た幼い姉弟。二人は旅の中で善と悪、真実と虚偽、愛と死など、人生の苦楽を知っていく、、、
果てしなく遠く長い旅路。
霧の向こうにあるものとは。
旅の荷物は父親への想い、それのみ。
二人の未来を暗示するかのような
"首に縄を巻いた"という言葉が恐ろしくも印象的。
みんなが雪降る空を見上げるなか、走りだす二人を写したシーンは、時間が止まってるようで幻想的な美しさだった。
初恋。失恋。出会い。別れ。
人生の機敏や過酷さを味わうように、ひたすら道なき道を歩む二人。
黄色のレインコートや、海から浮かび上がる巨大な手の意味はなんだろうか。
観る人によって捉え方が違うであろうラストはとても神秘的。
こんなに詩的で美しくもあり残酷なシーンを観た記憶はないかもしれない。
音楽も含め秀逸な作品だった。
"これからどうするの"
"聞かないよ、聞いちゃいけないんだろ?"