SCALA

霧の中の風景のSCALAのレビュー・感想・評価

霧の中の風景(1988年製作の映画)
4.6
"始めに混沌があった"

"それから光が来た"


まだ顔を見たことのない父親を探すべく、寒い冬に旅に出た幼い姉弟。二人は旅の中で善と悪、真実と虚偽、愛と死など、人生の苦楽を知っていく、、、


果てしなく遠く長い旅路。
霧の向こうにあるものとは。
旅の荷物は父親への想い、それのみ。

二人の未来を暗示するかのような
"首に縄を巻いた"という言葉が恐ろしくも印象的。

みんなが雪降る空を見上げるなか、走りだす二人を写したシーンは、時間が止まってるようで幻想的な美しさだった。

初恋。失恋。出会い。別れ。

人生の機敏や過酷さを味わうように、ひたすら道なき道を歩む二人。

黄色のレインコートや、海から浮かび上がる巨大な手の意味はなんだろうか。

観る人によって捉え方が違うであろうラストはとても神秘的。

こんなに詩的で美しくもあり残酷なシーンを観た記憶はないかもしれない。

音楽も含め秀逸な作品だった。


"これからどうするの"

"聞かないよ、聞いちゃいけないんだろ?"
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