霧の中の風景の作品情報・感想・評価

「霧の中の風景」に投稿された感想・評価

motio

motioの感想・評価

4.0
幼い姉弟が実在するかもわからない父に会うため、ドイツまで旅をする話。
ストーリーは着々と進んでいくのだけれど、一つ一つのシーンが立っていて、数珠のよう。
何故そこで? 何故そこに? と意味深な場面が多くて、こういった映画はあまり観ることがないので興味深かったし、映画が芸術作品であることが改めて思い出された。
テオ・アンゲロプロス監督は詩人出身らしく、台詞にも詩の引用がたくさん出てくる。
引用ではない普通の台詞も詩的で、ヴーラが手紙に書いた“答えてくださるなら 列車の音に託して下さい”なんていう言い回しにはグッときた。

1ヶ月位前に読売新聞で光の三原色について面白い話が載っていて、三原色を光線で混ぜると白くなるのに対して、絵の具で混ぜると黒くなる、という話。
詩は詳しくないけれど、ちょっと似たような所があるように思います。同じ言葉の連なりでも、像を結んで光輝く事もあれば、意味を持ち得ずに散文のままな時もある。


以下ネタバレ



ラストで姉弟はドイツに着き、霧の中を進み一本の木を見つけ、その木に抱きついて映画は終わる。
「ドイツと霧」というと、フランクルの『夜と霧』や『ライフ・イズ・ビューティフル』での霧のシーンが思い起こされてしまい、残虐で怖いイメージがどうしてもついて回っていた。
言葉は絵の具とは違い、記憶にとどまっていたものが急に理解されて、ポッと発光する時がある。
この映画を観て「ドイツと霧」という言葉の合わさりに、新しくポジティブなイメージがついて良かった。
yUma

yUmaの感想・評価

4.0
自身の存在証明の半分を探す旅は破滅へと向かわせる前半部経て自身の自立と認識の後半部へと向かう。無垢なる子供において必然と偶然の境界は常に曖昧で全ての瞬間が寓話的かつ幻想的な視界ゆえ闇を覆う純粋さという罪深き濃霧は知らぬうちに“死”への旅路へと歩を向ける、、。
nicoden

nicodenの感想・評価

3.9
音楽と映像が重厚。
いくつかの寓話のようなエピソードと美しい映像。
ゆっくりと物事を捉えるその眼差しはその意味と感情を深く考えらせられる。
特に手のモニュメントが運ばれていくシーンは印象に残った。
McQ

McQの感想・評価

4.5
「お腹すいた、、」「お金が無きゃ食い物はやれん!」「お金はないけど、お腹すいた!」

〝父〟を訪ねて三千里、、
この少年少女の旅の終着に〝希望が無い〟って事が端から観る側に知らされてるのが辛いところである。とりあえずこの設定だけでやられる。中盤までは満点コースだったものの、まさかのショッキングな不意打ちが、、個人的には〝ほっこり〟終わりたかったのだが、後半いや〜な溜め息しか出てこなかった。言葉も出ない。

テオ監督の作品は本作に限らず、ほぼ霧に包まれてる印象があるが、更なる包み込みにより幻想度がアップ!、、雪が降り2人の周囲は時間が止まったかのように動かない。もはや言わずもがなかも知れないが、これまた息を飲む映像美である。

少女が少年をきつく抱きしめる光景や少女がトラックで呆然と座り込む光景など、目に焼きつくシーンのオンパレード。(オーメンチックな少年の反応がまた愛くるしい)、、道中出会った青年に関しては天使に見えた。彼は遠目から見るともはや〝トム〟にしか見えない!笑
tantan

tantanの感想・評価

4.2
初のアンゲロプロス作品。
極端な長回しで時の残酷さをひしひしと感じさせられた。美しくも悲しい作品、解釈が別れる作品はいつまでも人の心に残り続ける。
表面は軽く
中身は重い
ん〰評価が困難な作品。

終始静かで,

ひたすら暗く重く,

全ての言葉が意味を持ち,

最終的に自分の心は
ただただ寂しさで
凍えました。

結果、霧の中の風景が
姉弟にとっての安堵…

だから…
急いでいるようで
急いでなく
行き先があるようで
行き先がない

子供にとって
与えられて
当たり前の安堵が
このゴールじゃないと
2人には得ることが
できなかった
やり切れないゴール(。•́ - •̀。)
ま

まの感想・評価

4.0
凄い良かったけど長回し多すぎて死にかけた
こういうタイプ初めてだったので…
パンズラビリンスをもっと映画的にハイレベルにした感じがするな…………
hiromin

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5.0
音楽 エレニ・カラインドルー
Masato

Masatoの感想・評価

3.4

鬱映画特集

鬱ランクD++

ジャンル:少年少女悲惨系

普段ヨーロッパ映画はあまり見ないので、この監督は知らなかった。テオ・アンゲロプロス。どうやら有名な監督らしい。

1番気になったのが、所々現実的ではないところ。雪の降る中、時が止まったように、みんなが空を見上げている。不自然なまでにカメラを意識したように突っ立ている人がいる。霧の中にある風景…。

監督は「子どものために作った映画。おとぎ話だ」と言っていたので、深くは考えなくて良かった。確かに、本作はロードムービーであり、数あるおとぎ話の中には一定のアドベンチャー要素が入っていることが多い。そこで会う人との体験を通じて、物語は作られていく。

しかし、子どもに向けたという割にはあまりにも悲惨で、この監督容赦ないなと思った。私としては、見慣れていてそこまで悲惨とは感じなかったが。(映画として)

子ども2人が顔も名前も知らない父親のためにドイツに行くが、大人の危険な世界に子ども2人というのはとてつもなく危険で終始何か起こるのではないかとハラハラする。まるで、洗礼を浴びせられるように旅をしていく。

印象的だったセリフ。「君たちは急いでいるようで急いでない。行き先があるようで、行き先がないように思える。」バイクの青年がこう言う。なんだか不思議だ。

芸術家・文学系出身の監督と社会学系出身の監督とでは大きく異なるなと改めて感じた。詩からきた監督なので、主人公の父へあてたメッセージは詩的。

説明しすぎる現代映画に染まってしまったか…やはり難しい。勉強しなければ。
初テオ・アンゲロプロス
これがマジカルリアリズムってやつ?
違うか。

唐突に幻想的なシーンが入ってきて、
久し振りにその様なファンタジックな作品を観たので慣れないまま終盤まで行ってしまった。
もう一度観たい。

バキバキな画と不自然な人物配置。
でも、不思議と画を優先しすぎている印象は余り受けなかった。
音楽ずるい。

ただ、ラストシーンで受け取るべきものの一部は受け取れたと思う。
美しいと思えたから。
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