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レインメーカーのRのレビュー・感想・評価

レインメーカー(1997年製作の映画)
4.5
レインメイカーとは法律事務所に大金を稼ぎ出す花形弁護士のこと。見る前はてっきりマットデイモンがレインメイカーになってく話だと思ってたけどぜんぜん違いました。マットデイモンが演じるのは、ロースクールを出たばかりのルーディ、悪徳弁護士の会社でキャリアをスタートさせながら、司法試験の勉強に勤しんでいる。で、これを機に、ロースクールの実習時に着手してた保険会社相手の医療保険未払いの訴訟の件に本格的に取り組み始める。白血病で苦しむダニーは、骨髄移植の手術をするために保険金が必要。だが、何度申請しても拒否されてばかり、しまいには罵りの言葉を含む拒否の手紙まで……その間にダニーは痩せ細り死に近づいていく……これがメインのストーリーで、ルーディが断固正義を貫こうとする法廷劇に発展していく傍ら、あるお婆さんの遺産相続に関する遺言の一件、また試験勉強中に出会った若い女が彼氏に暴行を受けてるのを何とかしたい、という3つのエピソードを同時に進行させる。さぞシリアスでヘビーな映画なんだろう、と思って見始めたけど、ぜんぜんそんなことなく、全編ユーモアが散りばめられ、音楽もオルガンがクールなジャズ系で小気味良い。印象は地味だがスルスル気持ちいいくらい話の展開がスムーズ。2時間を超える映画で感じやすい少々のしんどさが全くなかった。さすが巨匠コッポラ! 黙示録とかゴッドファーザーとかとはぜんぜんタッチがちがう。もっと娯楽的で、バランス良く、めちゃくちゃ見やすい。とにかくオールスターズの俳優の皆さんが素晴らしいですね! まずマットデイモンが若くてイケメン! 一瞬見せるボディーがナイス! あれはマジ効果的。そのあとずっと着衣してるが、誠実なほっこり系の人柄のスーツの下にあのボディーが潜んでると思うと、ワクワクせずにおれぬのが人情! そして、マット君のちんちくりんな相棒を演じるダニーデビートがこれまた最高! 本作最大の魅力はこの人なんじゃないか! 大真面目な人物なのにいちいち1つ1つの言動が笑いを誘う。あと、悪徳弁護士のお二方、痩せ細るダニーとダニーの母、保険会社の社長、元社員、婆さん、とキャラがどいつもこいつもインパクト大! 忘れがたい! ちょっとビミョいな、と思ったのがDV受けるクレアデインズ。他の人たちと比べるとインパクトも演技も落ちるような…ここが大したロマンスエピソードに脱線していかないのはすごく好感が持てた。そして、最後は、結構意外で示唆深い終わり方。そーおわるのかー。訴訟大国アメリカにおける現代(も当時とあまり変わってないのであれば)の弁護士たちに向けた痛烈なメッセージとなっている。正直ぜんぜん期待してなかったけど、めっちゃ良かった!
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