BOB

オールウェイズのBOBのレビュー・感想・評価

オールウェイズ(1989年製作の映画)
3.1
スピルバーグ監督のファンタジーロマンス。

事故死した空中消火隊パイロットが、ゴーストとなり、新人パイロットを指導し、愛する妻を見守る。

♪"Smoke gets in your eyes"♪

【『フェイブルマンズ』後夜祭】Vol.1
ずっと観たかった作品。アマプラ見放題追加にされたので鑑賞。

スピルバーグファンとして贔屓目に見ても、何だかなあ〜という感じの作品だった。やりたい事は分からなくないし、好きなシーンもあったが、全体的にフワフワしていて纏まりが悪かった印象。

一番の問題は脚本の弱さかと。メインストーリーへの求心力不足で、話がどこに向かっているか分からないことが何度もあった。恋愛ドラマにも乗り切れなかったし、散発されるジョークも不発気味に感じた。

ヒロインのホリー・ハンターは好きだった。彼女が演じる、明朗快活で感情的で家事ができない女性像は、スピルバーグママを想わせる。純白のドレス姿が美しかった。

コメディ担当のジョン・グッドマンが、顔面にタールを塗りたくったり、スポック大佐のハンドサインを真似たりと、ジョークを連発する。

言わずと知れた、オードリー・ヘップバーンの遺作。時間と空間を飛び越える旅先案内ゴースト"ハップ"役。死んだドレイファスを森の中で散髪するという摩訶不思議なシーンもあったが、さすがの気品に満ち溢れていて、胸が一杯になる。

スピルバーグ監督らしい遊び心のあるエンタメ演出が随所に見られた。オープニングから水上版『北北西に進路を取れ』、その後も飛行場で2、3度。ヘリウムガス。ロバの笑い方。ジョン・グッドマンに消火剤を浴びせる。勝手に走り出したフォローミーカーを、ジェット機が追いかけ、家に突っ込む。

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