あでゆ

007/カジノ・ロワイヤルのあでゆのレビュー・感想・評価

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)
4.3
◆Story
英国諜報部MI6のスパイである‘00’の地位に昇格したジェームズ・ボンドは、最初のミッションとして国際テロ組織のネットワークを絶つ任務を課される。テロ組織の資金源であるル・シッフルと接触を命じられたボンドは、モンテネグロのカジノでル・シッフルと高額の掛け金のポーカー対決を開始する。

◆Infomation
英国諜報部に属する敏腕スパイ、ジェームズ・ボンドの活躍を描く人気スパイ・アクションのシリーズ第21弾。原点に戻った今作ではボンドが殺しのライセンスを持つ“007”になる前の物語から始まり、国際テロ組織の壊滅が初任務となるボンドの奔走を活写する。6代目ボンドに『ミュンヘン』のダニエル・クレイグ、ヒロインのボンドガールに『ルパン』のエヴァ・グリーン。豪勢なカジノを舞台に繰り広げられる駆け引きがスリル満点。

◆Review
「ノー・タイム・トゥ・ダイ」に向けて復習として視聴したのを記録。
公開当時に劇場で見にいった時は、これまでのボンド像とかけ離れていたのでやっぱり違和感があったが、今はもはやショーン・コネリーすら押しのけてボンドの顔になっている。

冒頭のトイレでのアクションから始まるらしくないシーン(これもその後の口上と交互に見せていくのもオシャレだ)から始まり、ジェームズ・ボンドになっていく物語を描くというのは、ダニエル・クレイグのボンド初出演作としてハマっていて素晴らしい。
二転三転する物語や、色やトランプをモチーフにした語り口にも独特の美学があり、「007」という老舗シリーズを改めて定義しようという根気が見えてくるのが美しく感じる。

ヴィランとなるル・シッフルの扱いは現代的であり、これまでの荒唐無稽な悪役のイメージから、株式や賭博で資産を拡大する中間管理職的なワルへと方向性が転換されている。
そうしたインテリヤクザを演じるマッツ・ミケルセンもかなりのハマり役で、拷問シーンも彼から醸し出される変態生を具現化しているようで良かった。

ポーカーシーンはギャンブルを知らなくても楽しめるように調整されている分、味わいも薄れているのが短所だと思うのだが、一度負けたのに次は勝てるとパチンカスのようなことを発言するボンドのギャグセンスは高い。
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