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007/カジノ・ロワイヤルのクレセントのレビュー・感想・評価

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)
4.0
「君はその美貌が自分のマイナスだと思ってるようだが。」
「脳ミソのある女は皆そう思うわ。」
「そういう女は男っぽい服装を選び、女性に対しては攻撃的。物腰もとげとげしい。皮肉にも男性の上司は彼女の心の不安を傲慢さと勘違いして正しく評価しない。そういう女は一人っ子に違いないけど、それとも孤児だったのかな?」
「そのスーツを一見見れば、オックスフォードか名門校の出身。でもあなたはいやいや着てる。貧乏だから友達からは仲間外れ。学費は誰かのお情けね。それが心のしこりになってるわ。私を孤児と決めつけたけど、貴方こそ孤児よね。」

007は元々アクションが売りだけど、この作品は言葉のアクションもなかなかのもの。ところで、この言葉、今じゃあ差別用語だと言われかねないが、当時はおおらかだったようだ。初めて会った2人はいずれ恋に落ちるが、出会いはこのように丁々発止。もっとも心が時めくから相手を貶(けな)すわけで、興味がなかったら貶したりはしない。「喧嘩するのも好きの内」とは昔からの定説。英国が製作すると台詞がきわどくスリリングだから面白いけど、ちょっとうるさいと思う人もいるかもね。
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