マーくんパパ

大阪物語のマーくんパパのレビュー・感想・評価

大阪物語(1999年製作の映画)
4.0
ジュリーと田中裕子の実夫婦が演じる売れない夫婦漫才師の異色キャラクター、多分自宅で掛け合い漫才のリハーサル楽しんでやったんだろうなとニヤけて想像。父が愛人作って4軒隣に引っ越してもコンビを解消しない2人、鳳啓介&京唄子の昭和名コンビを思い出す。腹違いの妹出来ても甲斐甲斐しく面倒見る娘の若菜(池脇千鶴)は例え売れなくても笑いを届ける両親が大好きな大阪っ子、この生活感“じゃりん子チエ”の逞しさも彷彿させる。行方不明となった父を探しに登校拒否の同級生トオルと大阪の街中を彷徨う2人、ミヤコ蝶々の“大阪に一度住んだ人間は大阪を忘れられない”の言葉を信じ他所の街には絶対出て行ってないと信じて探し回る数々の市井の生活を捉えたスケッチショットが素晴らしい。隠されたテーマ「この街大阪大好き」が胸に染み込んで来る。新人池脇千鶴のナイーブな逞しさ好感です。