ミミック

大阪物語のミミックのレビュー・感想・評価

大阪物語(1999年製作の映画)
4.0
多感な少女が垣間見る大阪芸人を中心とした大人の世界。

ファーストカットの喋りから掴まれる、本作が初主演になる池脇千鶴のこの時でしか出せない瑞々しさを余すことなく捉えた出世作。どのカットも素晴らしい。途中で髪型をショートカットにしたのも素晴らしい。

芸人と役者が一つの画面に違和感なく溶け込んでる演出力が凄い、個人的に田中裕子と沢田研二が夫婦漫才師の役というのが涎もののキャスティング。たまらん。

前半地元のロケーションと浪花節な人間たちとのやり取りがとても人間臭くて素晴らしかっただけに、後半主人公が町の外に出てからは軸がバラけた上にロードムービー展開が凡庸で期待よりは少し落ちる。かわいい子には旅をさせたくはなるけども。

通天閣がそびえる夜空を若菜が見上げるシーンと、商店街のど真ん中で両親が大声で夫婦喧嘩をするシーンがお気に入り。

真心ブラザーズのサマーヌードが突然流れて不意をつかれた。エンディング、尾崎豊の曲が爽やか。

こんな素晴らしい作品が埋もれてて、しかも去年初DVD化だったとは。
ミミック

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