巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督が9.11テロ以降の世界を見据えて描いたドラマ。
悲しみの歴史を抱え込んだ街サラエヴォを訪れたゴダールと彼の講義を聴きに来た一人の少女との束の間の交感「煉獄編」を中心に、前後に「地獄編」と「天国編」を加えた3つのパートで構成。
第1部の「地獄編」ではニュース映像から劇映画まで、戦争にまつわる大量の映像が10分間にわたって映し出されていく。
第2部「煉獄編」では、サラエヴォへとやって来た映画監督のゴダールが、大学で講義を始める。イスラエルとパレスチナの対立を、切り返しショットという映画の手法を用いて捉え直す試みを解説する。
講義を聴いていた学生の一人オルガは、自ら編集したDVDをゴダールに手渡す。やがて帰国したゴダールはオルガがイスラエルで自爆テロと間違われ射殺されたことを知る…。
最後にオルガが優しい時間に包まれた第3部「天国編」で締めくくられる。