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アメリのamokのレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
4.5
かわいくて、楽しくて、奇妙で、
アナログ質感のファンタジックな映像表現。
そこにまぶされたブラックユーモアがよいスパイスになり、不思議な雰囲気の映画になった。
まるで、きゃりーぱみゅぱみゅに代表される、原宿のKAWAII文化の原点であるかのようだ。

KAWAII文化にはあまり馴染みがないけれど、この世界観は結構好きかもしれない。


この映画、色んな意味で伝説だ。
日本でも興行収入16億円とかなりヒットした。
配給したのが伝説の男、叶井俊太郎氏。
この人もともとは、エログロ系のB級映画ばかりを買い付けていた。
本国では、この世に存在してはならないとされ葬られた『ネクロマンティック』(腐乱死体とセックスする映画)を、何故か日本で上映できるようにしてしまったり、最近では、人と人の口とお尻を繋ぎ合わせる問題作、『ムカデ人間』(1では3人だったムカデが、3では500人になった)を配給している人。
そんな人が何故『アメリ』を買い付けたのか。
それは、『アメリ』もエログロ系の映画だと勘違いしていたかららしい。
この映画、監督が『エイリアン4』のジャン=ピエール・ジュネ。
叶井氏が以前配給した、『キラーコンドーム』。
この映画にでてくるモンスターをデザインしたのが、エイリアンのデザイナー、H・R・ギーガー氏。
まだ脚本段階で、『アメリ』がどんな映画か分からなかった叶井氏は、
エイリアンの監督だしコレは俺が買うしかないと目をつける。
しかも、叶井俊太郎が目をつけたことにより、周りは『アメリ』ヤバイらしいぞと、勝手に手を引いていく。
結果、競合他社がいなくなり破格の値段でゲット。
しかし、完成した映画を観てビックリ。
「なんか、すげー美しくていい映画だぞ!」
「こんな良い映画どうやって売ればいいんだ」
と、かなり焦ったらしい。
棚ぼたなこの場面で、本気で焦るところが面白い。
実際に、試写後すぐ会議が開かれ、叶井氏は首を覚悟したらしい…
しかし、蓋を開けてみると…
作品自体が良いものなので、メディアが勝手に取り上げてくれる。
何もすることなく、大ヒットしてしまったそうだ。

しかしこれだけでは終わらない。
『アメリ』で稼いだ金で会社を作り、『いかレスラー』や『ヅラ刑事』などの映画を作ってコケ、会社は倒産。
多額の借金を背負い自己破産へ追い込まれる。
多くの関係者に多額の損をさせたにも関わらず、未だに映画業界で生き残っている。
それを周りが許してしまっている。
全てが規格外の人です。
という訳で、『アメリ』も色んな意味で伝説の映画なのです。


PS. 叶井氏は『ムカデ人間』を1人分の食料で3人の人間をまかなえる、究極のエコムービーとして、エコでオシャレな雑誌、「ソトコト」で取り上げてもらうと言う、力技をやってのけたそうです。

PPS. 『ネクロマンティック』の監督と主演俳優は、映画界を追放されたらしい。
その後、主演俳優は日本で◯OVAの講師をしていたとか。
しかも、『ネクロマンティック』が日本で公開される時、叶井氏が彼をイベントに引っ張り出し、◯OVAを首になったらしい…