三畳

アメリの三畳のレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
4.0
おしゃれ映画の代名詞でもあり、00年代のサブカルカフェではどこもかしこもこれ流してた気がする、高校生の私も当然大好きだったアメリを久方ぶりに鑑賞しました。

最初、色調補正やシュールなCG演出にウッとなりつつも、次第にすごく悲しくて切ない話だなと認識が改まる。
アメリは元々人とずれた感性を持ってたうえに、小学校に行かなかったせいで、世間との距離感の掴み方がずっとわからないまま大人になってしまった。そのこじらせ方は不気味でもあり、誰かと関わるのに複雑な手順を敷かないと済まない。

アメリは天使みたいな女の子。人間を見守っているけどその姿は見えない、と思い込んでるかのよう。福音のように手の込んだ幸せを届けたり、小さな罰を与えたりする。
ひとりぼっちの楽しみを、卑屈になるでもなく、ポジティブの押し売りもしない、ただただ内向きなのが素敵。にんまりしたり顔。

可愛さばっかり取り沙汰されがちだけど、おじさんおばさん達の美しい過去を慈しむ物語でもある。缶詰に少年時代の宝物を詰めたブルトドーから始まり、アメリの母さんの死後ちょっと耄碌して引きこもってる父さんや、元夫の手紙を大事にとってあるアパート管理人。彼らがアメリの福音で思い出と向き合う表情にほろりとさせられる。

缶詰を届けたことで途端に世界と調和が取れたような気がして、盲目の知らない人を道案内しながら実況するシーンが好き。
あと、飛行機墜落事故で40年前の手紙が発見されたニュースを受けて、アパート管理人の夫の過去の手紙を切り貼りして、捏造するんだけどそこのBGMが細かく継ぎ接ぎされてて何気に技。

男の人って可愛いものを愛でる脳が無さそうだけど、好きな人がこの映画を茶化さなかったので嬉しかったし、私が劇中曲をよく弾いているのに気付いてくれた!