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アメリのERIのレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
3.8
それこそ、うーーんと昔に一度観たのだけどちゃんとレビューを書いてなくて先日WOWOWさんの「ミニシアターに愛を込めて」という番組で選出されたアメリを改めて鑑賞してみる。

そっか。渋谷にあったシネマライズが火付け役なのか。本当公開された後、いろんな雑誌でファッションやアメリスタイルの特集すごいされてた気がする。緑色をベースカラーに、世界は緑でアメリは赤。緑と赤の組み合わせが可愛くてきゅんきゅん。そして恋に落ちた彼も赤だったのか!

ジャン=ピエール・ジュネ監督はアメリ以前はずっとSFを撮っていた人だったのか。言わずもがなアメリは可愛くてキラキラしてるけどどこか変態的でその奇妙な空気は監督の本質でもあるのかもしれない、と妙に納得してしまう。

オドレイ・トトゥがとびっきり可愛くて、改めて見直してみるとオープニングからいちいちこんなに胸キュンなのかと驚く。もうずっと可愛い。

このマイナーな感じとアコーディオンの音。パリのモンマルトルの丘の上、グラスが揺れるその日の9ヶ月後にアメリが誕生する。一風変わったアメリの幼少期を想像させるオープニング。顎に描いた顔やボンドを指に塗って剥がす。指全部にはめたラズベリーを一気に食べるちびっこアメリ。

アメリの父の嫌いなことと好きなこと。アメリのママの嫌いなことと好きなこと。この描写も2人のキャラクターを印象づけた。アメリはひょんなことから学校へ行かす母に勉強を習った。神経質な母と冷淡な父のもとで育ったアメリの空想癖の理由。絵本のページをめぐるみたいに、アメリがアメリになっていく様子が描かれていく。この作家性にいちいち全部ひきこまれてしまうのだ。

アメリの思い込みが激しくなった理由。嫌な奴への復讐の仕方、これまたいちいちユーモアがあってたまらないのだ。アメリと隣人の小さな戦い。そしてアメリのママが死んでから、アメリはずっと家を出る夢を見る。

アメリが働く「カフェ・デ・ドゥ・ムーラン」、このカフェは今も現存するのでアメリファンが多く詰めかける。

アメリは、金曜日の夜ときどき映画を見にいく。
アメリの好きなことは、映画を見る人たちの顔を見ること。誰も見つけてない箇所を見つけること。クリームブリュレのコゲを割ること。とにかくアメリを演じるオドレイ・トトゥが可愛くてたまらない。

空想が大好きな女の子が、恋をして、不器用だから遠回りしていそうで、それでも同じように夢想家の彼はちゃんとアメリを見つけてくれて。髪切りたくなる(←唐突)
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