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アメリのsaorinのレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
4.5
アメリの簡単なあらすじと感想

【あらすじ】
両親の愛情不足や勘違いで、他人と切り離された環境で育ち、妄想や一人遊びが得意になったアメリ。大人になり、カフェで仕事をするようになったが、相変わらず人と満足いくコミュニケーションがとれず。
ある日、部屋で見つけた数十年前に子供の宝ものが入った箱を持ち主に届け、喜ぶ顔を見た瞬間、全てが輝いて見え、はじめて世界と調和がとれた気がした。
それからは誰にも気付かれないよう人を幸せにする悪戯をすることで、周りの人たちの幸せにする、ささやかな手助けをする。
変わり者のニノに惹かれ恋に落ちるが、自分の幸せに興味がなかったため、自分の気持ちに素直になれず不器用なアメリ。
近所の住民のガラス男の言葉に励まされ、孤独だったアメリが自分の殻から抜けだし、自分の幸せを見つけていく物語。

【感想】
長年気になっていたけど見ていなかったのは正解だった。このストーリーの魅力を理解するのにはまだ未熟だっただろうから。
ブラックユーモアで独特な世界観。
セピアな色彩、アコーディオンで奏でる音楽、個性的で風変わりな登場人物たち。フランス特有の感性の表現、非常に単調なストーリーで理解が難しい部分もあり、好き嫌いが分かれる作品だと思う。

ストーリー自体はなにげない日常だが、非現実的に感じさせる音楽と映像の演出で不思議な感覚になる。
オドレィ トゥトゥの大きな瞳や表情が可愛かった。

アメリがあるような、誰にも気付れかない自分なりのこだわり(秘密にしておきたい好きなこと)って、誰でもあるのでは?

また、面倒と感じる人間関係の中でも、
人の喜ぶ顔を見た時、心が温かくなる。
人と共感し合えた時、嬉しくなる。
親切にしてもらった時、感謝したくなる。
そういう時、他人との関わりって意外と良いものかもと思ったり。

些細なことだけど、繊細な感性を持つアメリと共通する部分がいくつかあった。

人生って何てシンプルで優しいことなんだろう。という言葉が心に響いた。
アメリを見て、何気ない日常の中に、沢山のユーモアが隠れていることに気付かされ、あらゆるものに目を向け耳を傾け、楽しんでみようと思った。
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