2000年代以降のアート系ヨーロッパ映画のアイコンになった感がある「アメリ」。
それまでエログロ映画しか配給しなかったアルバトロス・フィルムが何を勘違いしたのか、グロ映画だと思って買い付けてしまい、結果、同社最大の興行収益をあげたことでも知られる作品。
赤や緑を基調とした色彩豊かな映像はいいなぁと思ったが、個人的には、ルイ・マルの「地下鉄のザジ」もそうだけど演出が技巧的すぎる作品はあまり好きじゃない。
ま、これはあくまで好みの問題。
ただ一方で、こういう演出にしないと単にアメリが変な子にしか見えなくなるので(十分変な子なのだが)、普通に撮ってたらこれほど多くの人に愛される作品にはならなかったと思う。
そしてやはりオドレイ・トトゥの存在も大きいと思う。
クリッとした大きな瞳、キュッと結んだ小さな口、パツンと切った前髪が印象的、普通あり得ないようなキャラであるアメリに息を吹き込んだのはこの人の功績だと思う。
これ演じてるのがオドレイじゃなくて、他の人だったらこうはいかない。
例えば似たような髪型でも、片桐はいりがアメリを演じた日にゃあ…………ん、意外と似合うか?
■映画DATA==========================
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
脚本:ジャン=ピエール・ジュネ/ギヨーム・ローラン
製作:クロディー・オサール
音楽:ヤン・ティルセン
撮影:ブリュノ・デルボネル
公開:2001年4月25日(仏)/2001年11月17日(日)