なるほど評判通り風変わりなラブストーリー。
けれどこの作品を好きになる印象的な要素が沢山あることも感じられる。私はアメリの少しだけ下に重心のあるストンとしたファッションと無造作にピンで留めた仕事用の髪型が好き。
変わりたいと思いながら一歩踏み出す勇気が出ない彼女は周りの人々の人生を色づかせることでそれを追体験するかのように変化を噛み締める。他人のことなら苦労もいとわず容易いのに、自分のこととなると難しい。そんなアメリを包み込む絵描きの老人が暖かい。
面白いか、と聞かれたら普通だけれど、何故かじわっと心に残る。証明写真のボックスを覗いてみたら彼女がいるのかもしれない。そのくらいどこか身近に感じられた。