あかり

アメリのあかりのレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
4.3
ラストで二人が出会ったあの数秒間。お互いに挨拶のキスを交わしていく様子が、ただそれだけが丁寧に撮られていて、床の軋む音さえも愛おしく思えるほどでした。

少し変わった女の子のアメリ。彼女が自分の殻から抜け出して小さくも彼女にとっては大きな一歩を踏み出すお話。じっくりと作戦を練る彼女を見ているとイラつきさえ覚えるほど慎重な女の子で、そんな彼女を2時間見てきたからこそラスト、勢いだけでドアを開けることがどれだけ彼女にとって大きな一歩だったのかは想像に難くありません。今まで『変わった子』として世界との関係をうまく築くことができなかった彼女が、あるひとつの宝物入れをきっかけに世界との関わり方を考えていく姿はとても愛おしかったです。

洋服から色使いから小物から、今自分が生きている世界とは全く違うもので、国が変わればここまで変わるのかと改めて実感しました。フランスの良さがいっぱいに詰まっています。

登場人物たちの心情に合わせた劇的なBGMが印象的で、独特なカメラワークもとても良かったです。エンドロールも素敵で思わずため息が。
とにかく名セリフの宝庫。彼女を取り巻く人々の言う何気ない一言や、ナレーションが添える一言が胸に残っていきました。
ホラー映画だと思って今まで観れなかった自分がバカみたいです。

『失敗につぐ失敗、永遠に書いては消し。人生は果てしなく書き直す未完の小説だ』