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トラック野郎 望郷一番星のbluetokyoのレビュー・感想・評価

トラック野郎 望郷一番星(1976年製作の映画)
3.5
あいかわらずヒロインは、まったく関係ないな。
今回のテーマは、絶望だ。さらっと見ると脳天気なんだけど、あとでよく思い出してみると、妙に悲しくなる。

簡単にあらすじ。
やもめのジョナサンの家で晩飯。トラックの長旅から帰って寛ぐ、ジョナサンと桃次郎。
子どもたちは、勉強したいから部屋が欲しいとか、女子は覗かれるから部屋が欲しいとか言い出す。
そうか、家族も多いし、そろそろ戸建ての家だなあ、なんて思い始める。

次の仕事は、北海道。カネを貯めるために、ジョナサンは、青函連絡船のフェリーでウェイターのバイト。
北海道、釧路港に到着。荷下ろしでもたもたしていると、女性トラックドライバーのお京に魚をぶちまけられる。
食堂はきだめの鶴で、お京に出会ったので、ジョナサンと桃次郎は、お京に文句を言うと、お京に惚れているカムチャッカが登場。桃次郎と喧嘩になる。勝負がつかないので、札幌までのトラック勝負。抜け道を知っているカムチャッカが勝つ。

静内へ行くとき、桃次郎は野グソのために、途中で降りた。たまたま、そこは、馬の牧場で、フェリーで会った三上亜希子が、経営していた。

一方、ジョナサンは、ブローカーの話に乗る。わかりづらいのだが、たぶん、こういうことだろうと思う。トラック仲間からカネを集めて、ブローカーに渡す。ブローカーは、そのカネで、運送する荷を、直接、購入。荷を販売する。間に、業者が入らないので、儲けが、多くなる、ということかな。お京の弟が、ジョナサンに話を持ってきた。

仲間の宮城縣が、ジョナサンの家族をトラックに乗せてきた。家族で北海道観光。

帰りも宮城縣のトラックで家族を帰してもらう。ところが、トラックは崖から転落。宮城縣は亡くなった。

ジョナサンは、慌てて、病院へ。ジョナサンの奥さんの君枝に陣痛が始まったので、家族はみな途中で降りて、病院に行ったのだ。
家族は無事だったが、宮城縣は亡くなってしまった。

宮城縣の葬式は、盛大な盆踊りにした。

一方、ジョナサンは、食堂はきだめの鶴で、トラック仲間から吊し上げられていた。トラック仲間から集めたカネをブローカーが持ち逃げしたのだ。お涼が登場して、カムチャッカと結婚するので、自分のトラックは売る、と言ってくれた。お涼の弟が話を持ち込んだからだ。その前に、カムチャッカが、なぜ、トラックの運転手をやっているのかという話。もとは漁師で漁船を持っていたが、漁船が沈んでしまった。もういちど、漁師をやるために、漁船を買いたい、ということだ。

だが、この問題は解決ではない。こんどは、荷主がやってきて、魚を札幌の市場に出さなければ、2000万円の損害だ、と言ってくる。
これはどういうことなのだろう。おそらく、こういうことだ。ブローカーは、トラック運転手たちから400万円を集める。本来なら、そのカネで魚を購入するのだが、そうしていない。その代わり、荷主から、たとえば、400万円を仮払いで貰い、本来なら、それを運転手に渡して、市場で売りさばく。間に業者が入らないので、荷主は、より多くの売値を得ることができる。
ただ、これを、トラック運転手、荷主の両方にやれば、両方に、利益を渡さなければならず、ブローカーの手元には利益は残らない。持ち逃げすれば、利益は倍になる。ということだろうかな。

札幌までの輸送を桃次郎が引き受け、見事に時間に間に合わせた。
損害2000万円の中には、ブローカーに持ち逃げされた分も含まれるのだろうけど、まあ、トラック運転手たちの損害400万円は取り戻せたのだろう、と思う。ジョナサンは、みなから責められたとき、逆ギレして、オレだって、家族のために戸建ての家が欲しいんだよ、と叫んでいた。家は手に入らなかっただろうから、利益は出なかったものの、桃次郎のトラックの修理代ぐらいは利益はあったのかもしれない。せめてチャラになっているといいな。カムチャッカも漁船は難しいかな。
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