くろいひと

娘・妻・母のくろいひとのレビュー・感想・評価

娘・妻・母(1960年製作の映画)
3.8

愛情関係や社会的な制度の犠牲になる女たちをえがいてきた成瀬巳喜男が本作で撮るのは、金の問題で微妙にバランスを変えていく、リアリティある人間関係のドラマ。
シーンのつなぎかたも(ややあからさますぎるくらい)凝っていて、そのテンポ感が心地よい。

個性あふれる女優陣の豪華な共演だが、それがまったく散漫にならないのは、さすが監督の腕というべきか。
観たあとに素敵な余韻を残す、傑出したラストにも拍手。
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