Jaya

コロッサル・ユースのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

コロッサル・ユース(2006年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

妻が出てったジイちゃんヴェントゥーラが旧スラムの「子どもたち」を訪ね歩くお話。それでも家具捨てたのが妻がどうかは分からない。

殆どカメラが動かず、記憶の限りではパンが2度だけで残りは全て固定という撮影ながら、構図と色遣いの美しさが尋常じゃなかったです。マンションの背景にある真っ黒な青空が衝撃的でした。

フィクションなのかドキュメンタリーなのかも曖昧なまま、過去と現在を行き来するヴェントゥーラ。幾度となく手紙の朗読が反復され、読まれるごとに妻との記憶が強まるよう。過去のシーンでは作為性が強まるカット割り。

擬制的な「子どもたち」とヴェントゥーラの関係が非常に寓話的で、ヴェントゥーラの閉塞的な不思議な旅を見ているような、何とも奇妙な感覚に陥りました。

土地と人物の記憶を往来するような、現実と寓話の狭間を強烈な映像美で描き出したような名作でした。
Jaya

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