津軽系こけし

愛のむきだしの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

愛のむきだし(2008年製作の映画)
4.3
見る性欲増強剤


筆舌尽くし難い。開口一番まっつんかわゆ
園子温監督の、残虐さとコメディ性がミックスされたてんこ盛りの一作。園子温の作家性がこの映画にはギュッと凝縮されている。よもや園子温の履歴書といっても過言ではないだろう、、うーん、過言。

分厚くも軽快に進められるプロローグは圧巻である。各キャラクターの複雑な奥行きを、余すことなく語り尽くした。4時間という悲鳴を上げたくなる上映時間にも関わらず、全く時間を感じさせないほどスマートに引き締まっている。
まさか、勃起シーンで泣く羽目になるとは思わなかった。悠の人生のフラッシュバックを、4時間の幅に効かせて大いに爆発させている。もちろん、そこに至るまでの悪戦苦闘にも目が離せない。洋子との心理的対峙、コイケの介入など印象的なシーンが盛りだくさんである。

それでも私は「地獄でなぜ悪い」
とにかくそこら中に園子温が散りばめられた快作である。長尺に臆することはあったが、再生ボタンを押せたことを今は喜んでおこう。
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