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ガンジーのhokaのレビュー・感想・評価

ガンジー(1982年製作の映画)
3.2
小学生の時初めて手にした偉人伝が、【ガンジー】だった。
その時はトイレ掃除をしていたシュードラを見て、カースト差別の不公平について考えたというような簡略化した物語になっていた。

【非暴力、不服従】の戦略は、確かに数の論理では植民統治に対し、迂遠ながら合理的で効果も期待できるが、相当数の犠牲者を想定したものだろうから、極めて冷徹な哲学というか、悟りが伴うものだったと思う。

うまれながらに支配者階級の生まれで、イギリスで学び弁護士となった後で南アフリカの列車で差別されて、インド人というアイデンティティに目醒め、公民権運動を起こしたのもその生い立ちが一因だったと思う。彼自身に差別が常態化していたら、そんな気も起こらなかっただろう。

大航海時代から産業革命まで栄華を極めた大英帝国も、2度の大戦やアメリカという新興国の台頭で、衰退の兆しを見せ始めたタイミングで自治領を勝ち得たのは、偶然だはないだろう。
また覇権国家でありながら、体面を重んじる国であったことも、非暴力運動には有利に働くこともおそらく織り込み済みだっただろう。

しかしながらあれだけ複雑怪奇で巨大な国をまとめあげたその指導力、胆力は、真に偉人と言えると思う。

しかしアッテンボローも【遠すぎた橋】とかこれとか長尺な映画を撮ったり、【ジュラシックパーク】のオーナー役をやったり、相当パワフルである。
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