「正しく生きるってことは、難しければ難しいほど、その中で正しく生きた人が強い人ダワ」
オープニングの高らかな笑い声!
ラストも弱カオス展開だし、木下恵介の新たな一面を見ることに成った。
ずーっと「女」だし「顔」だし、顔と顔のぶつかり合い。
アップだらけで、普通の愛憎劇が物凄い緊迫感。
ヒッチコックみたいな木下。
ここまできちゃったら女も台無しだよ、と思わせるヒロインのなんともいえない神妙不幸な表情よ!
ほとんど喋らず顔だけの演技。
ちょっと笑ったと思ってもすぐ永遠に切なくなる。哀愁が押し寄せすぎ。
でも女はちゃんと女だった。良かった。
音響効果も絶妙でそこもヒッチコックっぽさを感じさせられたところ。
激動の67分でずっとハラハラさせられっぱなし!
特に火事のシーンの迫力とセットの盛大さ!
昔の真鶴の雰囲気も独特で超田舎で草ばっかりだし、思い入れのあるマナヅルで女が飛び降りた瞬間にこの作品は何か違うぞ…と感じたがとんでもなかった。
時間が短いからこそ、鬼回しだし怒涛だし、でも見終わったらうん、良かった〜!ってなる。
このとんでもない作品は何?!本当に木下恵介?
面白かった。