クリーム

やわらかい手のクリームのレビュー・感想・評価

やわらかい手(2007年製作の映画)
4.0
設定はあり得ないんですよ。フィクションです。でも発想が面白くて好き。お婆ちゃんが、孫の手術費用の為に面白いお仕事をします。大真面目なんだけど、コメディっぽくもあるかな?だけど、とても素敵なお話です。良作。
マギーには難病を患う最愛の孫がいる。 手術をするのに多額の費用が必要で、お金の工面に困っていた。借金をするあてもなく、仕事も見つからない。 そんな中マギーは、偶然見つけた風俗店で働き始めるのでした。



ネタバレ↓



マギーの仕事は、顔の見えない密室の壁に空いた穴から出て来る客のイチモツを手コキでご奉仕するものでした。 抵抗感はあるが、孫の為と覚悟を決める。 そのうち行列ができるほど、マギーは売れっ子になって行き、店主のミキとも仲良くなり、前借りをして手術費用を工面します。ところが、息子にテコキサービスがバレてひと悶着。が、嫁にマギーの気持ちが伝わり、彼女はマギーに感謝し、夫を説得。 皆でオーストラリアへ向かうと言う所で、マギーは、ミキの元に戻って2人はめでたく恋人に…。で終わります。
手コキシーン結構あるんだけどイチモツを一切写さないので、上品さがありイヤらしさ皆無です。初日の帰りのバスで自分の掌を見つめるシーンが良い。この手がお金を生むのか?とかあの感触は?とか色々考えてそうな何とも言えない表情がとても良かったです。
愛する孫、息子の為に何でもするマギー。だけど、見返りなんて一切求めない。誰になんと言われても「私は後悔していない」と言い切る格好良さに応援してしまいます。下世話な噂話しかしない近所のオバハン達相手に仕事の説明をするシーンは、スカッとした。そのうちの1人が数名の客がいる雑貨店の中でマギーに意地悪い事を言って来るのだが、その女に「主人と浮気してた事、全て知ってたわ。亡くなる前に罪悪感から全部話したわよ」と逆に暴露するシーンはとっても痛快だった。
嫁も最初はマギーに辛くあたるイヤな女だったけど、マギーの気持ちが伝わり最後は感謝する。息子も最後は解ってくれたし、良かった。
実際にはないだろうお話だけど、凄くハートフルで素敵な映画でした。
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