ショウコ

やわらかい手のショウコのレビュー・感想・評価

やわらかい手(2007年製作の映画)
4.1
ラッキーホールって言うんですよね、マンガで見た事あるよ!壁に穴が空いててチ●コ入れると向こう側から手でしてくれるやつ👋これ…相手が男とか犬でも分からないですよね。看板に「イリーナの手」と書いてあるだけで絶世の美女に違いないと思い込めるポジティブ思考には人類の可能性を感じます

神脚本。揺さぶられましたよ

「孫の手術費用のため、おっかなビックリ壁の向こうに座るおばちゃん」という時点で勝ったも同然よ!でもジャケはハートフル人間ドラマっぽい…🤔OPのギターの音はなんだか物哀しくて悪い予感するし、お金が捻出できないのはニートの息子の甲斐性のせいだし嫁は凄まじくカンジ悪いし画の彩度が低くて暗ぁい鬱ムード。悲しい話は嫌だよぅ…

でも店で先輩にレクチャー受けてるシーンは「達する瞬間の男性方の独り言」がいちいち面白い。手の柔らかさとテクが評判を呼んで大人気になっちゃったり、水筒とかカメラワークで上手いこと隠してるのも笑えて仕方ないです。壁の向こう側だけでなくこちら側のマヌケな姿も見せてくれたりして、あぁこれはコメディなのだと気付く

ところがハッピーエンドに向かうのを邪魔する不安要素がどんどん出てきます。出勤は他人の目を避けてコソコソ物陰に隠れなきゃいけないし、この年齢で仕事を始めるなんてどういう事??とウワサが好きなご近所さんには根掘り葉掘り訊かれる👂👂
そんなもん適当に答えとけば良いのに「絶対言わないわ!」とバカ正直に回答して逆に興味を引いてしまったり、手術に間に合わないからと給料を前借りした直後にヒジを痛めたり「イリーナとは何者だ?」と探ってくる男が出てきたり…「展開が読めない恐怖」にビクビク祈る様な気持ちで観てました。心臓に悪い

全ては各人物の丁寧な心情描写のお陰ですね。細やかな表情や台詞はもちろんだけど特に「間」の取り方が素晴らしかった。これもベルギー入ってるのか🇧🇪



手コキ、コメディ、おばちゃんなどオモシロファクターでカモフラージュしてありますが言いたいのはたぶん「性風俗で働く人を馬鹿にすんな」って事でしょう。先輩は安アパートに住んでいて子育ての為に仕事をしてるわけだし、脊髄反射で娼婦と罵る阿保とか、両者の立場的に気持ちが理解できるだけに辛くて泣きそうになった。
また、人のウワサで盛り上がるヒマな低所得者層や「安くてお手軽な風俗」に列をなす男たち等、風刺も抜かりなく編み込まれています

ちと同じBGMを使い過ぎてる(もしかして1つだけ?)のがタマに傷。終わり方ももうひとつ欲しかったかな。

「ピンピンになって帰ってくるのよ」って字幕の言葉のチョイスよ👏
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