YARUSENAKIO

贅沢な骨のYARUSENAKIOのネタバレレビュー・内容・結末

贅沢な骨(2001年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

相変わらずいつ観ても狂おしい。
ハデな展開がある訳でもテンションが上がる訳でもないんだけど、大人がセックスを求める時の心情や虚無感、嫉妬、自己嫌悪の描かれ方が生々しい。それがちょっとロマンチックで初めて観た高校時代からずっと心に残っている。(おれもあと10年すればこんな情事に頭悩ますんかな〜って思ってたけど全く無縁だった…)

自分の1番好きな女優が麻生久美子さんなのはこの映画がきっかけ。本当に美しい。当時まだ21、22とかでびっくりした。
つぐみさんのあのちょっとダサいTシャツとジャージの感じも好き。自己嫌悪に陥ってる演技も良い。
永瀬正敏も「これが大人の男の色気か…!」って教えてくれた。ハンバーグ弁当買ってったり(笑)全く参考にできてないけど(笑)

作品にいくつか出てくる濡れ場も艶かしいが、
サキコが「ダメ、私やっぱり汚い」って言って風呂場に逃げ込んで
新谷さんが「人間なんてみんな汚えんだよ!!」
ってシャワー浴びせかけるシーンは強烈。
その後ミヤコにサキコはどうだった?と問い詰められ「やめてくれよ!!!」と言い放つ新谷さんが最高。

全体的に映像の一つ一つが切なくて綺麗。
ホテルでミヤコが新谷さんの手を取るシーン、屋上でのサキコ、賢者タイムの新谷さん…
部屋の雰囲気も可愛いし金魚とミキサーの相性も良かった。その金魚のように口をあむあむさせるミヤコも良い。

空っぽな気持ちを埋めるために人の温もりを求めている様がまた虚しい映画です。それが良いんだけどね。
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